2004-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「龍時02-03」

スペインに渡り、色々な苦しみを通しながら、最終節で衝撃のデビューを飾った志野リュウジは、02-03シーズンアンダルシアに渡り、レアル・ベティスにレンタルされ、改めてリーガのスタートを切る事になった。その中でまた激しい戦いに身を投じながら、彼の生…

「龍時01-02」

Number-Plusのワールドカップ特集の中で連載されていた小説「龍時」の加筆版。無名の高校生、志野リュウジはU17日本選抜で同じ年代のスペイン代表と対戦する。しかしあまりに素晴らしい個人技を持ちながら、日本の組織の中でもがいている間にスペインの迫力…

「エイジ」

現代病とも言える「少年犯罪」それを起こしたのはクラスメイトだった・・・・・。彼らは自らの個々の悩みや性格からこの犯罪を犯してしまった少年と向き合う事になる。一人はその優しさや思いやりから「被害者側の気持ち」を考え、一人はクールで冷静に分析…

「ビタミンF」

重松清の「イジメ」「微妙な年代」「離婚」みたいな難しいコンテンツを抱える親に視点を置いた家族小説。ただその中に解決への道を辿る時にある家族愛というものを描く。心がほわっとする短編集。こういうのを書かせるとやっぱりうますぎ。僕は誰かの親では…

「波の上の魔術師」

多分一番好きな作家。石田衣良。そんな彼の経済クライムサスペンス。ドラマ「ビッグマネー」になったらしい。この画像はハードカバー。独特のクールな切り口とクールな若い目線で進んでいく株を題材にした小説。腐ったパチプロ生活を続けていた白戸則道は、…

「うつくしい子ども」

あの酒鬼薔薇事件を題材に、加害者(弟)の兄の視点を中心に描かれたミステリー。緑豊かなニュータウンを恐怖のそこに陥れた小学生の女の子の殺人事件。犯人は弟だった。そのことで家族はバラバラになり、家を失い、学校でも嫌がらせを受けながら、兄は動き…

「骨音 池袋ウエストゲートパークⅢ」

石田衣良の人気シリーズ第3作。今回のテーマはかなり掘り下げられたテーマ。「音楽への情熱の方向とホームレス」「弱者と権益の絡み」「NGOと地域通貨」「ドラッグとレイブとマイノリティ」と言うかなり濃くてまた取っつきにくいテーマとなりました。それを…

「少年計数機 池袋ウエストゲートパークⅡ」

石田衣良の人気シリーズの第2作。今回は「LD(Learning Disability)」「ネットのぞき部屋」「大人のパーティ」など時代背景に沿った現代病を、主人公である果物屋手伝い兼ストリートファッション誌コラムニスト兼トラブルシューターのマコトが個性溢れる仲…

「池袋ウエストゲートパーク」

石田衣良の出世作、そして代表作であり、ドラマ「IWGP」の原作になった。基本的には短編集だけど、マコトがで活き活きと動き回りながら、仲間と共に池袋のストリートで怪事件をクールに解決していく。やっぱり爽快感を含めて素敵に動き回る事で浮き出る現在…

「赤・黒 池袋ウエストゲートパーク外伝」

石田衣良のヒットシリーズ「池袋ウエストゲートパーク」の外伝。外伝と言うだけにマコトは登場しないし、マコトの目線とマコトの口調での物語が進んでいく訳ではない。今回は映像ディレクターでギャンブル好きの小峰渉が自らの愚かさから借金を抱え、池袋の…

「娼年」

村上春樹の主人公っぽいどこかうつろでけだるい主人公のリョウが、彼にとっての魅惑の仕事「娼婦」に出会い、様々な女性の魅力を通して欲望の奥深さに見せられながら過ごした1つの季節を描いた恋愛(?)小説。個人的に石田衣良作品の中で一番好きかも。何…

「空中ブランコ」

伊良部総合病院精神科で様々な患者の病状に対して子供のようにわがままで注射フェチで黄緑のカエルのようなポルシェに乗るトンデモ精神科医伊良部が常識を覆す行動で彼らを治していく爆笑小説シリーズ。今回は前作「イン・ザ・プール」の時よりも病気の内容…

「イン・ザ・プール」

常識を覆すとんでもない神経医学博士・伊良部が伊良部総合病院を訪れる患者との治療の中で色々と奔放に行動する話。伊良部は御曹司で黄緑のカエルみたいのポルシェに乗りながら注射フェチの気持ち悪い神経科医で、その奔放な行動力はまるで子供のような欲望…

一瞬の光

キャリアも外見も恋人もいて、何も不自由のない主人公・橋田浩介は、ふとしたきっかけで一人の短大生・香折と出逢う。会社内での派閥闘争などで疲弊していく中、徐々に香折とのふれあいの中で、疑問視していた自分の存在意義の中で欠落していた本当の人間と…

「不自由な心」

自分のキャリアを築きながらもふとした瞬間に、一人の人間として人を愛し、何のために生きていくのかを見つけ、そして選択していく(こんな言葉ないだろうけど)ヒューマンドラマ短編集。個人的に名作だと思う「一瞬の光」を割ったような感じですが、話の流…

GO

在日朝鮮人でケンカ23戦無敗の高校生、杉原が一人の少女との恋愛を通して、自らの国籍問題や差別に向き合いながら成長していく青春恋愛小説。非常にナイーブな「在日朝鮮人・韓国人」の問題を杉原という内側からの目線を通して描いた事で何かわかりやすかっ…

最後の息子

僕が吉田修一が大好きになったきっかけの一冊。「閻魔ちゃん」という新宿でバーのママをしているオカマと同棲しながら、きままで気楽な生活をしていた主人公。そんな中、飲み仲間「大統領」の死をきっかけに、ビデオ映像を通して生活の邂逅をしていくひりひ…

パレード

マンションの一室を4(5)人の若者がシェアしながら生活していく中で、色々と起こる出来事の中でそれぞれの考え、思惑を描いたミステリ小説。小さなコミュニティの中でも色々と彼らが相手に気遣い本当の自分とは別の自分を繕いながら、生活しているのを描…

熱帯魚

表題作含めた3作の短編集。大工の大輔は子連れの女性と同棲中、そこには引きこもりの弟も一緒。そんな不思議な生活の中、自分が生活を支えていてその善意が彼自身の支えともなっているが、1つの下心と不注意からの事件が全てを変えてしまう。若さ故のエゴ…

「冷たい誘惑」

1つの拳銃をふとしたきっかけで持つ事になった。そんなとき人はどんな思いをし、どんな行動を取るのだろう。「コルト」の魔力に魅せられた人々を描いた連作短編集。最初に購入する時は結構ハードボイルドっぽいものなのかなぁと思ったのですが、1つの拳銃…

「秘密」

正直もの凄い感動しました。本当に最後にほわっとして、じわっと涙が出てくる感じなんです、それはこの小説の中で積み重ねてきた生活が押し出すものがあったからだと思うのです。SFノスタルジック愛情小説(?)平凡な一日の終わりになるはずだった夜勤後の…

「パイロットフィッシュ」

優しい小説。エロ本の編集長山崎の元に19年ぶりの掛かってきたかつての彼女からの電話。そんな折り、1年に1回同じ場所で同じ時間に会う約束の中で、印象的な回想録と現在が進む中で感情の永続性を見せてくれる青春小説水槽の中をきれいに保つために住ま…

「将棋の子」

将棋の天才が集まる奨励界。奨励界の少年達は若き日の情熱の全てを将棋に捧げている。そして厳しい期間制限の中で、人生が掛かる一局のドラマ、そしてその夢が敗れた後を追ったノンフィクション小説。これを書いている大崎善生は、小説家として今はもう有名…

「青の炎」

平穏な家庭の中に、異物が混入してしまった。母の元再婚者。家に居座り、母だけでなく妹にも危害を与えようとしている現状に、警察も法律も元の平穏を取り戻す力にはならず、自らの手でその異物を排除しようとする。明晰な頭脳と青年らしい心理が交錯しなが…

「溺れる魚」

特異な理由で懲戒免職寸前の二人の刑事に罪のもみ消しと引き替えに監察から命じられたミッションは、公安の刑事の内定をだった。芸術の冒涜の報いとして大企業に脅迫をかける犯罪グループ「溺れる魚」。犯人の心理、その人間関係から一気に絡み始める犯罪模…

「きらきらひかる」

笑子と睦月は10日前に結婚した。その夫婦の実態はアル中で精神不安定な翻訳家の妻とホモの医者の夫という不思議な取り合わせだった。二人はすべて許し許容して結婚したのだがはずだったのですが、様々な問題がこの夫婦の中に起こっていく。セックスレスな…

「ナイフ」

いじめという共通のテーマにした5編の短編集。主人公がいじめられている子本人だったり、その父親だったり、幼なじみだったりとその視点からリアルな現実とほのかな希望を描いた現代小説。非常に重いテーマで、それなりにリアリティがあって簡単にパラパラ…

「海を抱く BAD KIDS」

前作「BAD KIDS」の中で端役だったサーファーの光秀と生徒副会長の恵理が織りなすサイドストーリー。不器用な二人が心の中に抱えるものを奥底に隠しながら、一つの出来事から不思議な関係に陥っていく課程の中で、心の中の深い悩みと対峙していく青臭くも瑞…

「BAD KIDS」

年上のプロカメラマンの北崎に振り回されているプロカメラマン志望の写真部部長の都は、被写体としてラグビー部の隆之に狙いをつけた。しかし、その都の撮った写真には隆之の本心でもある親友でもあるチームメイトへの密かな思慕まで映し出してしまった。そ…