「空中ブランコ」

空中ブランコ伊良部総合病院精神科で様々な患者の病状に対して子供のようにわがままで注射フェチで黄緑のカエルのようなポルシェに乗るトンデモ精神科医伊良部が常識を覆す行動で彼らを治していく爆笑小説シリーズ。

今回は前作「イン・ザ・プール」の時よりも病気の内容もスケールもパワーアップして、相変わらず笑っちゃう小説です。正直外ではやっぱり読めません(苦笑)今回は空中ブランコ乗り、ノーコンになったプロ野球選手、ヤクザ、女流作家などの職業がその職業人としてはなっちゃうと困っちゃう病気を奔放な伊良部がもの凄い奇行蛮行の中で、この病気を治療していく過程を書いた小説。

この伊良部という人は、5歳児に様に欲望の赴くまま行動して笑ってわめいて行動しているのに、その行動の中に何か計算された治療方針があったりして、何かこの人の頭の中が見えなくて面白い。多分逆にそれが見えてしまうとつまらないかも知れないけど(笑)マユミちゃんが良い味出しているのは相変わらずですw

ただ強迫神経症が多少出し過ぎかなぁ?って感じもしなくもないです。これからバリエーションがついてきたらいいなぁと。もちろん今のままでも安定していて面白いんですけどねwとにかく外で読むのはお勧め出来ません、なんかニヤニヤして変態に見られそうなので(笑)

奥田英朗 「空中ブランコ」 文藝春秋 ¥1238