「イン・ザ・プール」

イン・ザ・プール常識を覆すとんでもない神経医学博士・伊良部が伊良部総合病院を訪れる患者との治療の中で色々と奔放に行動する話。

伊良部は御曹司で黄緑のカエルみたいのポルシェに乗りながら注射フェチの気持ち悪い神経科医で、その奔放な行動力はまるで子供のような欲望に真っ直ぐで悩みのない様なヤツなんですが、その行動力がまた患者を振り回しながらも、最終的にいい落としどころに納めていく、そんな行動が誰も圧倒され、呆れてしまうのですが、どこかうらやましく思ったりして、その悩みなさに逆に治されてしまったりしちゃいます(笑)

この小説は魅力はとんでもない精神科医・伊良部だけでなく、彼の所に集まってくるもの凄い変な病気ももの凄い魅力です。水泳中毒・ケータイ中毒・持続勃起症など世にも珍しい病気だったりして、それに悩む姿もまた笑っちゃいます。

ただ、この何にも考えていなさそうな伊良部の計算された治療計画もこんな悩みなんて小さなものだ!みたいなそういうメンタリティを感じてすっごい爽快感さえある感じです、何かすっきりというか。

この小説はやっぱり笑うためにあります!家の中で読むのがお勧めかも。美しいカバーもお気に入りだったりw

奥田英朗イン・ザ・プール」 文藝春秋 ¥1238