2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「亡国のイージス」

在日米軍基地で起きた未曾有の惨事。その元凶とも言える「あれ」の国家間の策謀に様々な人の思惑を抱えてミニ・イージスシステム護衛艦「いそかぜ」は思いもよらぬ暴走に導かれてしまう。長編海洋冒険小説。ホントに長編。登場人物それぞれの正義のため、ア…

「四日間の奇蹟」

「第一回このミステリーがすごい!」大賞、大賞金賞、受賞作品。留学先のウイーンで指を失い、自らの生き甲斐であったピアノを失ってしまった敬輔は、その事件で肉親を失った脳に障害を持つ少女・千織と一緒に暮らすようになった。千織は音楽の才能を有して…

「反乱のボヤージュ」

首都大学の中央に立つ「弦巻寮」を舞台に、大学側と寮生の間で存続のせめぎ合いを行う中、舎監がやってきた。この舎監・名倉は古ぼけた寮則を持ち出し、寮生達を縛っていく。しかし、次々と彼らの周りで起きる問題の中で寮生と名倉の信頼関係は高まっていく…

パークライフ

第127回芥川賞受賞作。表題作「パークライフ」は、地下鉄の中でふと口をついた一言に反応してくれた女性と東京のど真ん中・日比谷公園の偶然再開し、微妙な関係を築いていく恋愛(?)小説。そして「Flower」は不思議な夫婦が東京に上京してきて、そこでまた…

「4TEEN」

中2という非常にナイーブで微妙な年代の中で、ウェルナー症候群のナオト、聡明でジュン、肥満なダイ、そして平均的なテツローという、4人の男の子達が様々な悩みながらも一つ一つ正面から当たっていく純心な青春小説。もしこの小説を単語で表していくとし…

「悪魔のパス 天使のゴール」

セリエAに移籍した夜羽冬次。大きな可能性を持ちながらもチーム状況に憂慮しながらシーズンを戦っていた。しかしその裏では大きな黒い闇が彼に迫っていた。身を案じた友人のライターはその闇を解き明かそうと様々な土地に散らばったそのヒントを掴みに動き回…

「深紅」

小学生の奏子は修学旅行中。そんなときに家族には非情な出来事が降りかかっていた。一家惨殺事件により癒しがたい傷を奏子は、事件の真相が少しずつほどける中で加害者にも同じ年の年代が娘がいたことを知り、正体を隠して会ったことでまた少しずつ何かが動…

「破線のマリス」

首都テレビの敏腕編集マン遠藤瑶子はニュース番組の肝となっていた「事件検証」を彼女の虚実を生むモンタージュを駆使して刺激的な映像を作り出し、番組を支えていた。そんな中で郵政省の内部告発を記録したビデオが瑶子に持ち込まれ、彼女の編集マンとして…

「凍える牙」

個人的に大好きな作品。乃南アサの作品をこの後むさぼるように読むきっかけとなりました。 僕はこういう犯罪ミステリーとかは結構ノリで読むから、文章の中に潜むリズム感というのが、大事になるような気がするんだけど、いきなりのショッキングなスタートか…

「パラダイス・サーティー」

29歳という女性にとって、そんなにデッドラインなのかなぁと思ったりもするけど、その中で良い事があったり悪い事があったりして30歳という節目の時間に向かって進んでいく話。お局扱いされるOL栗子とおなべのバーのマスター菜摘の揺れ動く女心を描写し…

「鎖」

「凍える牙」の続編、大活躍の音道に大きな危機が訪れてしまう。腐ったヤツと組まされて仲違いした事で一気に彼女に危機が訪れて・・・・・・。ネタバレしないでサスペンスを紹介するのは難しいなぁ。「凍える牙」はどんどんスピード感を増していって進んで…

「龍時03-04」

ベティスでの2シーズンの邂逅を交えながら、アテネ五輪代表に招集され、ナショナルチームの誇りの戦いに身を投じる志野リュウジ。試合を戦いながら五輪代表監督平義との確執の中で、監督の考え・狙い・そして彼の意志を感じながら戦いを進めていく。相変わ…