「パラダイス・サーティー」

パラダイス・サーティー〈下〉 (新潮文庫)パラダイス・サーティー〈上〉 (新潮文庫)
29歳という女性にとって、そんなにデッドラインなのかなぁと思ったりもするけど、その中で良い事があったり悪い事があったりして30歳という節目の時間に向かって進んでいく話。

お局扱いされるOL栗子とおなべのバーのマスター菜摘の揺れ動く女心を描写しているのですが、その中で徐々に隠された真実が暴かれていくサスペンスが隠されていた。パラダイス探し=幸せ探しというのが、一体何なのか。他人に寄り添いある意味では与えられるのが幸せなのか、自分自身が見つけていくものが幸せなのか、少し考えさせられる作品でした。女性的な視点からのぶぶんであり、男性的な視点だとまた違うように思えるかも。

自分が凹んだ時に読んでいたので、無性に「ビール・フロート」が飲みたくなった。

乃南アサ「パラダイス・サーティー」 新潮文庫 上/下 ¥438