「不自由な心」

不自由な心 (角川文庫)自分のキャリアを築きながらもふとした瞬間に、一人の人間として人を愛し、何のために生きていくのかを見つけ、そして選択していく(こんな言葉ないだろうけど)ヒューマンドラマ短編集。

個人的に名作だと思う「一瞬の光」を割ったような感じですが、話の流れとしてキャリアがあって、妻がいて、そして不倫していると言う設定が同じなのは気になるかなぁと。ただその展開の中で、根底にある自分の存在意義を辿るような話の流れはやはりどこか納得出来るような答えがあって、凄い感動します。

自分なりの答えというか、心の中の弱さ・強さ・喜び・悲しみなどその時立たされたその時の感情を大事にしていきたいと思った。素直に感情を選ぶ事は実生活の上で非常に難しい部分があるけど、そのような感情をなくさないようにしたいなぁと思わされる一冊。ちなみに読了感は非常に苦くて、すっきりさっぱりとは行かないです。でもそれがまた良いと思ってます。白石さんの本を読むと考えさせられたり、泣かされたりと非常に疲れるけど、やっぱりいいです。こういう簡単な短評を書くのも考え過ぎなのか疲れる(苦笑)

白石一文「不自由な心」 角川文庫 ¥629