「龍時01-02」

龍時01‐02
Number-Plusのワールドカップ特集の中で連載されていた小説「龍時」の加筆版。無名の高校生、志野リュウジはU17日本選抜で同じ年代のスペイン代表と対戦する。しかしあまりに素晴らしい個人技を持ちながら、日本の組織の中でもがいている間にスペインの迫力あるサッカーに圧倒されたりして、一気に価値観を変えられ世界との差に愕然とされた。その中でスペインのユース組織からのオファーを受け取って彼は世界のサッカーに一歩踏み出す・・・・・。

ほんとに素晴らしいサッカー描写とリュウジの様々な要素に関しての心理的葛藤などが事細かに描かれたリアリティあるサッカー小説シリーズの第一弾。特にこのテーマの中で一番大きな問題として出てくるナショナリズムという部分が非常に考えさせられた。彼のプレーをしている姿が頭の中でイメージすると非常に楽しかったりします。色々な意味でのサッカーに絡んだ背景などもわかって、ほんとにお勧め。個人的にこのカバーも物語の中にはまっていて非常に素敵です。

野沢尚龍時01-02」 文藝春秋 ¥1333