「エイジ」

エイジ (新潮文庫)
現代病とも言える「少年犯罪」それを起こしたのはクラスメイトだった・・・・・。彼らは自らの個々の悩みや性格からこの犯罪を犯してしまった少年と向き合う事になる。一人はその優しさや思いやりから「被害者側の気持ち」を考え、一人はクールで冷静に分析出来る頭から「その犯罪を全体的に見て平均的な目」で眺めた、そしてもう一人は彼の揺れる心や鬱積とした生活の中ですさんだ心から「加害者側の気持ち」を考えて思い悩んだ。様々な視点から考えられた青春小説。

部外者でもある自分達は、その犯罪を見た時に裏側を知りたくなり、色々な興味本位の週刊誌などが猥雑な目で掘り起こしたりする。しかしこの子達のように犯罪を犯してしまった関係者になる可能性は否定出来ない「同僚がチカンをして捕まった」「友人が自殺してしまった」「詐欺師は兄の友人だった」など可能性は色々とあるのだ。そんな事を深く考えさせられたし、非常に面白い小説だった。

揺れる世代で揺れる心、その中でのショック、非常にナイーブな時期を書き写したような彼らの人格が透けて見える程細かい描写がまた、この話を面白く感じさせてたのかも。その中で成長する彼らを見ていてまた感動した。

僕の感じ方はやはりそれでもまだまだ彼らの世代に重ね合わせる事が出来たのかわからない。もしこの小説を現在中学校に行っている子達、もしくはその世代に近い子達、そんな親を持つ人たちが読んだらどんな感想を持つだろうかすっごい興味を持ちました。

終わりの先にもなにがあるかわからないけど、すっごい元気づけられた。僕も「負けてらんねーよ!」って思わされました。あぁ、長くなっちった(苦笑)

重松清「エイジ」 新潮文庫 ¥677