「池袋ウエストゲートパーク」

池袋ウエストゲートパーク (文春文庫)
石田衣良出世作、そして代表作であり、ドラマ「IWGP」の原作になった。

基本的には短編集だけど、マコトがで活き活きと動き回りながら、仲間と共に池袋のストリートで怪事件をクールに解決していく。やっぱり爽快感を含めて素敵に動き回る事で浮き出る現在またクールだった。

やっぱり一番クールでマコトが働くのは「サンシャイン通り内戦(シヴィルウォー)」です。Gボーイズとレッドエンジェルスの抗争の中で動き回る中でクールにこの時だけは甘くて、そして最後に最高にクールに働いた。石田衣良の一番らしい作品だったかも。

そしてやっぱり細かな描写も現代感覚が溢れていて、その時代の世相を近い距離で描かれている感じがする。村上春樹みたいに洗練されすぎてちょっとわかりにくかったりしないのが、近い距離を感じるのかも。だからこそのストリート感覚なのかも知れない。村上春樹の洗練されすぎてるぐらいソフィスティケイテッドでソリッドな感覚も好きなんですけどね。

ドラマ見ている人には少し違うのは全てが独立した話になっていて、ストラングラーの話も、サルの話も基本的には独立なので、キャラ立ちしていたヒカルやマサはそんなに出てこなかったりする。でもやっぱり魅力は変わらないし、ドラマより良かったりする。僕もドラマから入ったから最初は長瀬智也の「マコト」と小説の中の「マコト」が重ならなかったけど、やっぱり小説がイイと感じました。笑うならドラマだけど、物語を味うなら小説かなぁ?でも横浜人の僕にはどうも現実味を帯びなかったりする(笑)

石田衣良池袋ウエストゲートパーク」 文春文庫 ¥514