UCL GameReport その2

向こうではやれそうにない。でも見た試合だけ。てゆうか一つだけど。インテル見てえな。何とか見たいな。

UEFA ChampionsLeague 2005-2006 Groupstage Matchday-3
GroupG
Chelsea 4-0 Real Betis @ Stanford Bridge
Chelsea:24'D.Drogba 44'R.Carvalho 59'J.Cole 64'H.Crespo

チェルスキスタメン:GKクディチーニ、DFギャラスリカルド・カルバーリョジョン・テリーデル・オルノ、MFマケレレ(→76'ディアッラ)、エシアン、ランパード、FWライト・フィリップス(→67'グジョンセン)、ジョー・コールドログバ(→46'クレスポ

ベティススタメン:GKドブラス、DFオスカル(→46'シスコ)、ファニート、リバス、メッリ、MFバレラ、リベラ、ミケル・アンヘル(→57'マルコス・アスンソン)、エドゥ、FWホアキンリカルド・オリベイラ

まあどうやったらチェルスキーが負けるのかと思わされるぐらい圧倒の試合。多分負けるとしたら、前日にユーヴェが負けたように攻撃の主体性とか崩しきれずに憤死というのなんだろうけど、このチームは崩せるだけの駒とタスクを持ち得ているしなぁ・・・。後はミス絡みかコンディション不良?まあ試合の方はチェルスキーが今年の優勝候補No.1だというのを改めて証明するような完璧な試合だった気がする。

序盤は多分ベティスペースだったと思う。ホアキンに対してきつい警戒が敷かれていたけど*1それでもチャンスを演出。セットプレーからファニート(?)が連続で合わせたりと*2、久々のクディチーニをあわてさせるシーンもあったりして、一方的ではないにしてもペースを握ってたのかなと。ただベティスにとって、この試合ではこのシーンで点を取れなかったことが全て。

ベティスがスペースを消すような守り方をしなかったこともあって少しずつ自分たちのペースに引き込んで、速い展開に局面打開を絡めた攻撃が嵌り出すと、張り出すと言うより自在にポジションを変えながら柔らかいドリブルで突っかけるジョー・コールと右張りっぱなしで豹のようにしなやかなSWPが冴える。で、何度かの決定機が決まり切らなかった後の24分、低い位置での軽率な横パスをエシアンがインターセプト、そのまま持ち上がって左に待ち受けるはフリーとなっているドログバ、GKの飛び出しをしっかりと見て流し込むとカバーに触られるもののそのままゴールに吸い込まれてゴール。電光石火のショートカウンターでのチェルスキらしい無駄のないゴールだった。

まあその後はチェルスキー・オン・ステージ。前に出てくるベティスのボールをあっさりと奪い、フリーとなっているアタッカーに展開し、そして個人技。スペースと局面打開を組み合わせた強烈な速攻に息も絶え絶えなベティスを見て、一点差ながら「ベティスもうだめぽ_| ̄|○」と思ってしまった。結局その圧力に耐えかねたのか、ミスから終了間際に失点。ランパードの強烈なシュートは高いながら正面、ドブラスは一度手に納めたもののキャッチしきれずバウンド、詰めてきたリカルド・カルバーリョに身体ごとプッシュされて2-0。この展開にミスが絡んではもうどうしようもない。

後半開始と同時にドログバ*3クレスポベティスの方はシスコ投入、シスコが入ったことでバレラが一枚下がる。シスコ頑張れ。と思ったけど、シスコはギャラスとケンカしたシーンと報復のようにタックルしたシーンぐらいしか目立つシーンなし_| ̄|○

ゲームの方は虐殺ムード、ジョー・コールがスムーズな展開からコントロールシュートを決めて3点目、3点目素敵だなぁと思ってた所で4点目はとんでもなかった。センターサークル付近からランパードがターンしながら飛ばしたロングフィードは右サイド深くへ、快足を飛ばして追いついたSWPは抑えたボレーシュートのようにダイレクト*4で折り返し、中には誰も見れていないクレスポ、走り込んでズバッとヘッドで合わせて、超ゴラッソ。余り美しすぎて悶えるぐらい凄かった。こういうゴール、大好き。

まあ結局ベティスは上に書いた通りシスコとギャラスが小競り合いを起こしたりと盛り上げたけど、後半はほとんど何もできず。ホアキンは移籍したくなったんじゃないかと思うぐらいの力の差を見せつけられての惨敗。ただホアキン自体の出来は悪くなかった。キレてたし、デル・オルノ*5はかなり苦労してたと思う。まあ移籍するしないは別にしても、ホアキンチェルスキーより、ユナイテッドやリバポの方が合いそう。チェルスキーもドリブルも求めているだろうけど、よりスペースランナータイプを求めてると思うしね。ドリブルワーク中心のプレーは許容されない気がする。モウリーニョはお気に入りみたいだけど*6

まあはっきり言って次元が違う。セラ・フェレールのチームは悪い訳じゃないけど、チェルスキーが完璧に強すぎた。そして対策を立てて対応するという弱者としての立場を取れなかったことが、火に油を注いだと言う形になったのかなと。まあミス絡みの2失点がなければ・・・とも思うけど、時間の問題だったかな?自分たちの良さは出した、でも受け流され、裏を突かれて負けた。スペインのチームにとってチェルスキーは相性最悪、悪魔の様なチームなのかも知れない。

で、チェルスキーだけど見事な出来とはいえ、考えてみたらワイドアタッカーはセカンドチョイス*7、ツェフもパウロ・フェレイラも休み、余裕を見せてもこの強さ。アーセナルの試合を直前に見てたんだけど、アンリは確かに凄いけど*8、何かアーセナルでさえ、チームとしての戦闘力は次元が違うと感じさせられてしまう。それくらい無駄が無くて、隙がなくて、質が高い。そしてゴールも獲れる。アーセナルだけじゃなく、ライバルなはずのユナイテッドやリバポと比べてもやっぱり圧倒的。

試合を見ていて、先に失点したらほぼゲームオーバーと思えるぐらい*9、ゲームプランもバランス感覚もタスクの整合性も獲れている。モダンフットボールを突き詰めるとこういうサッカーになるのかな?と言う感じかも。隙があるとしたらセットプレー、そして左サイドバックデル・オルノの局面打開に対する対応力ぐらいかな・・・。崩せなければ相手はリスクを掛けて崩しに来る、そして裏が空けば・・・・。

対抗馬はどこなんだろう?考えられる範囲ではユーヴェとミランバルサ、そしてバイエルンかな・・・。でもどうやって勝つ?2試合あるけど、リスクを掛けずにこの守備陣から取るのは相当難しいし、この粒の揃ったアタッカーに対して90分間仕掛けられたら辛そうだ・・・。まあ負けるんだろうけど、負け方が気になるよ*10

と言うことで絶望的に強いチェルスキーの見事なまでのゲームでした。インテルミランはやろうかな・・・。気が向いたら。

*1:デル・オルノにもう一枚という感じでマケレレやエシアンが吹っ飛んでくるし、テリーも目を光らせてる

*2:一本は惜しかった、マケレレゴールライン上でのカバー

*3:かなり凄いの喰らったからそれでのスイッチかな

*4:!!!

*5:上がりの回数を見ても制限されていたのかなと感じる。ギャラスは上がってたし。元々守備が上手な選手とは思えないけどね。あのホアキンのシミュレーション取られたシーンはPKでも良かった気がする

*6:褒め殺しかも知れないけどね

*7:ロッベンもダフも怪我なんだろうけど

*8:一点目のヒールとラップからのアウトサイドシュートに萌えた。スーパーエースだね、アップもなしに出て行って決めちゃうなんて

*9:リーグのリバポ戦は先制点後にジェラードのスーパーシュートで追いつかれたけどさ。まあ結局アンフィールドで1-4

*10:これで優勝したらつまらないから希望的観測だけど