UCL Game Report

忙しいのでまとめる時間なさそう。一応草稿。結局生で見ちゃったよ。なのに負けるなよ、ユーヴェ_| ̄|○

UEFA ChampionsLeague 2005-2006 GroupLeague MatchDay-3
GroupA BayernMuchen 2-1 Juventus @ Muchen Arena*1
Bayern:32'S.Deisler 39'M.Demichelis Juventus:90'Z.Ibrahimovic

バイエルンスタメン:GKカーン、DFサニョル、ルッシオ、イスマエル、リザラズ(→30'シュバインシュタイガー)、MFデミチェリスダイスラーゼ・ロベルトバラック、FWサンタクルス(→88'ショル)、マカーイ

ユーヴェスタメン:GK戦犯*2、DFブラージ(→46'キエッリーニ)、テュラムファビオ・カンナバーロザンブロッタ、MFエメルソン、ジャンニケッダ、カモラネージ(→46'デル・ピエーロ)、ネドベド、FWトレゼゲ(→66'ムトゥ)、イブラヒモビッチ

去年のグループリーグでもあったこのカード*3、2年連続で同グループに同居で、今年も2連戦。バイエルンはほぼベストメンバーでスタメンを組んできたが、ユーヴェはヴィエラとゼビナが怪我で欠場、セントラルにジャンニケッダ、右サイドバックにはブラージ。シーズン前の怪我が癒えないブッフォンもまだピッチには立てず。ユーヴェの黄色シャツってやっぱり見慣れない*4

序盤からバイエルンはアプローチの速さとコンタクトの優位性を活かした厳しいプレスが冴え、ユーヴェにセンターラインを越えさせない*5。そしてボール奪取後、縦の速い展開をファーストプライオリティにしながら鋭い攻撃を見せ、またカウンターが出せない時でも落ち着いてボールを回しながら最終的にはサイドに展開→クロスと言う形を作り、そこから中の強さ*6を活かす形も迫力充分。決定機も縦に速い展開からマカーイが狙ったり、バラックがセンターからのFKを鋭く狙ったりと、10分までに二つとバイエルンの充実ぶりが伺えた。

ユーヴェはこの展開に押されてほとんど自分たちのサッカーをさせてもらえない。ゲームを落ち着かせようとゆったりとポゼッションをしても、一つのコンタクトシーンでボールをロストして又劣勢、と言う感じで、ペースを戻すことが出来ない。シュートチャンスも20分過ぎのネドベドミドルシュートまで無く、完全にバイエルンの術中に嵌ってしまっていました。

それでも、時間が流れると共に少しずつゲームが落ち着き、ユーヴェのポゼッションも安定するようになるが、攻撃のとっかかりを掴むまでには至らず、バイエルンペースは変わらない。結局そのゲームの展開に準ずる形で先制点が入る。サイドチェンジから右サイドで受けたダイスラーザンブロッタとの1vs1、角度は無かったものの小さなリズムチェンジの持ち出しから、ザンブロッタのブロックもお構いなしにズバッと振り抜くと落ちる強烈なシュート。このシュートは正面だったのですが、アビアーティが変化を読み切れずに手に当てられない。足には当たったものの、はじき出すには至らずゴールとなった。

直前で急激な変化が付いたボールだったのは確か、でも正面。ちょっとした判断ミスなんだけど、それが失点に繋がってしまった。まあミスはミス。ブッフォンマダー?

で、その失点から目が覚めたかのようにビハインドメンタリティを見せていたユーヴェでしたが、今度はCKからの緩さを突かれてしまう。ダイスラーのキックからマークがずれていた*7デミチェリスがセンターでぽっかりフリー、強烈に、そして綺麗にヘッドで叩き付けられて失点。お粗末。結局前半は2-0。今シーズン一番の大苦戦。

後半開始直後にアレックスとキエッリーニを投入して4-3-3*8みたいな形にして反撃を狙う。しかし、バイエルンの速い攻撃に苦しめられ、又あまりリスクを掛けていないこともあって、ブロックはしっかりと形成されていて、常に崩す形を求められ、単調な攻撃ではなかなか崩せない。どこかで見たような展開ですよ、奥さん。

虚を突く形でスローインからアレックスがうまくルッシオをいなしたところでファールを受け、良い位置でFKを獲ったものの直接狙ったキックはカーンの正面。テュラムのクリアをうまく身体を使ったズラがヘッドで走り込んできたネドベドへ繋ぎ、サイドからの流し込みをトレゼゲが打つもののサイドネット。結局決定機はこれくらいで、偶発的な要素が絡まなければチャンスが作れず、その間にもバイエルンの攻勢が止んでいたわけではなく、それだけユーヴェは攻撃構築に苦しんでいたと言うことなのかも知れません。

なかなか局面が打開出来ないユーヴェはムトゥをトレゼゲに代えて投入。攻めの形も中盤で作ってサイドからという形から、ズラを核にネドベド・ムトゥ・アレックスで飛びこむ形に変化させる。しかし、それでもなかなか効果的な攻撃は生まれず、リズムも生み出せないため、バイエルンのゲームプラン通りゲームが進み、閉塞感を伴った攻撃に終始。ユーヴェの唯一とも言って良い攻撃における主体性の低さ、そして崩すというタスクに関しての弱点を露呈したような形になりました。

結局終了間際にCKからアレックスのボールをニアでエメルソンがすらせ、ファーで待っていたズラが詰めるという一つのパターンが嵌って一点こそ返したものの結局その弱点を露呈したまま終了。バイエルンは去年2連敗した相手に完勝とも言える形でリベンジ、ユーヴェは連勝を続けていたもののここでストップとなり、今シーズンはイタリアスーパーカップ以来の2敗目となってしまいました。

まあバイエルンの出来が良く、ユーヴェの出来が悪かったと言うことですが、バイエルンのパフォーマンスは素晴らしかったです。プレス、カウンター、攻撃構築とこの試合に関してはユーヴェを上回り、完全にゲームを掌握していました。マガトらしいアグレッシブなサッカーとバイエルンのタフなタレント達が融合した力強いサッカーは、本命達を封じ込める力があるというのを改めて証明した形になっていたと思います*9

で、ユーヴェですよ。まあ去年敗退したリバプール戦で露呈した弱点が改めて日の目を見てしまったわけですが、ヴィエラがいなかったこと、コンディションがあんまり整わなかったことはあるにしても、弱点に関してはあんまり進化が見えませんでした。確かに去年よりムトゥが入ったりして局面打開出来るような駒は増えたけど、中盤のメカニズムやチームの色が変わったわけじゃない。だからこそ弱点もそのままになってしまいました。

まあ今のサッカーが悪い訳じゃないです。実際結果も残っていますし、リッピ・カペッロと繋いできたユーヴェのアイデンティティを表すようなものだと思いますからね。ただ、実際引かれると崩せないというのはある。力のある選手はいるけど、偶発的な要素でしかチャンスは生まれず、攻撃の柔軟性、主体性という面ではやっぱり弱いなぁと。

リアリズムを追求するチームにとって、影のように付きまとうとも言える問題ではあるけど、多分今シーズンもこういう状況に陥ることはあると思うし*10、もう少し崩すための何かを準備しないと又去年と同じ轍を踏みそうな気もする・・・。

ロシツキーを獲っておけば少しは改善出来たかも知れなかったのになぁ・・・。

まあそうは言っても今回は負けゲームだった。たまには負けるわな。まあドンマイ、どうせここで2連敗しても上には上がれそうだし。

*1:アリアンツアレナね、一応uefa.com表記。これがもめてる原因

*2:アビアーティ、ブッフォンマダー?

*3:その時は新鮮味たっぷり

*4:別に青か黒で良いと思うんだけどなぁ。そしてこういうシャツを着る時は負ける法則

*5:これは少し大げさかなと思うけど、序盤は本当にそんな感じだった

*6:マカーイサンタクルスは柔らかく強い

*7:トレゼゲだね、外してクリアに行ったモノの目測誤り届かず

*8:アレックスは右のMFみたいに張り出すような感じだったけど。キエッリーニを左サイドバックに入れたことでザンブロッタを右に回した

*9:まあマガトが言ってた通りだけど。マガトはこんな試合してても弱気なコメントだったねぇ

*10:特にUCLでは