メンタルゲーム

惜しかった。追撃の一点がもう少し早ければ・・・。いや、選手達がもう少し自信を持ってゲームが出来ていれば結果は変わっていたかも知れないなぁ・・・。ブリントの心理マネージメントが問題?それも酷。と言うことで加筆修正版。

UEFA ChampionsLeague GroupLeague Matchday2
Ajax 1-2 Arsenal @ Amsteldam Arena
Ajax:70'M.Rosenberg Arsenal:2'F.Ljungberg 69'R.Pires

アヤックススタメン:GKフォンク、DFN.デ・ヨングエマヌエルソングリゲラフェルメーレン、MFガラセク、リンデンベルフ、ピーナール、FWバッベル、ブハリ、ハリステアス

アーセナルスタメン:GKアルムニア、DFローレン、キャンベル、トゥーレ、As.コール、MFフレブ、フラミニ、セスク、ピレス、FWリュングベリレジェス

アーセナルアヤックスとも欠場選手の多い*1中、どちらも完全ではない形での試合開始時のスタメン。ただメンバーを見てもらえば分かる通り、何とかトップクラスのメンバーでスタメンを組むことが出来たアーセナル、かなり若く経験のない選手*2のプレーは非常に不安定でミスを連発してしまったアヤックス。ただ、そしてそういう差もあってかアーセナルがそのミスを突いて先制点。

アヤックスが左サイドから攻撃を構築しようと切り替えようとしていた時に安易な横パスをフラミニがカット、フラミニはそのまま併走するような位置にいたレジェスに預け、レジェスはドリブルでDFを引きつけ、センターを引っ張ったところでこの日FW起用となっていたリュングベリがラインを飛びだす。ここにスルーパスを通され、リュングベリは落ち着いて飛びだしてきたGKをいなすように浮かせてゴールに沈めた。

まあ絶対やってはいけないミスをした訳ですが、これでアヤックスの選手達は恐慌状態に。普通にイージーなプレーを次々とミスし、高いレベルのことをやろうとしても肝心要の所では変化が突かずに出しどころを抑えられて攻めきれない。持ち味の両サイドのアタックもピッチを広く使えているわけでも、両サイドバックの積極的な姿勢も見えずに沈黙。キャプテンマークを巻くガラセク、そして経験のあるグリゲラピーナールが引っ張ろうとするがそれでもむなしいばかりに空回り。逆にバランスが崩れてスペースを作ってしまったところを一気の突破で危機に陥るなどなど本当に苦しい状態でした。

特に気になったのはアーセナルの両サイドに対しての守備。サイドバックが受け持つことになっていたのだろうけど、ボールサイドの時は良いにしても、無いところで中に入っていくサイドアタッカーに対して誰が付いていくのか整理されていなかった。ピレス、フレブの個人技で振り回されている上に、組織的にも整備が出来ていない状態、ある意味苦戦は妥当なものだったのかも知れませんね。

後半、少しは肩の力が抜けたのかなという感じはして、両サイドを起点に攻める姿勢が出てくる。単純なミスはまだ見受けられるものの前半ほどの数もなく、ようやく噛み合いだした感じはしました。

しかし水を差したのは一つのカウンター、レジェスの突破に対してDFラインが対応しきれず、そのまま抜け出されてしまいフォンクが足元に飛び込むが一瞬遅く、足を刈り取るような形になりPK。これをピレスが冷静に沈めて2-0となってしまう。

ただその後アヤックスも一点返します。直後のプレー。この前から調子は良くないもののバイタルエリアでボールに絡む回数が多くなったピーナールがバイタルで横パス、そこにガラセクが走り込んでエリア外からインフロントで巻くように狙うとアルムニア何とかセーブ、しかしこのリフレクションがポストに当たり逆に跳ねると、途中から入っていたローゼンベリ*3が押し込んで一点返す。

これで、チームは完全に蘇生。慣れ親しんだ4-3-3システムが機能し始め、ピッチを広く使うサイドアタック、中央も非常に分厚いアタックを見せる。アーセナルとしてはその裏のスペースをフレブに突破されたりするものの、守備も好転しはじめたチームに引っ張られる形で何とか水際で踏ん張らる。ゲームの波を読んだベンゲルは次々とアタッカーを変えて、守備の出来る選手を投入し逃げ切りを図らせるぐらい*4、得点後の20分間*5アヤックスのペースと言っても過言ではなかった。

ただ、最後の部分ではピーナール頼りも否めず、そのピーナールが動きこそ多いものの乗り切れなかったこともあって*6結局ゴールを生み出すことは出来ず、試合は1-2でアーセナル

まあ上に書いた通りなんだけど、世界的にも有名なアヤックスの育成システムに乗っかった有望な選手達も人の子。自信がなければ単なるポテンシャルを出せない選手に成り下がってしまう。それだけプレーする上での精神的な要素の大きさを知らされるゲームだった。開始直後の失点のショックから本当にびっくりするぐらいの自信喪失ぶりをさらした姿、追撃の得点後のラストの猛攻をする自信に溢れた姿は、同じチームとは思えないぐらいの変貌ぶりだった。まあ失点は仕方ないとしても、よりタフに立て直せていれば、もっとエキサイティングなゲームになってたのかなと*7でも良い経験になったのでは?

逆にアーセナルは、怪我人が沢山出たけど、それでもなんとか質を保てたこと。それが最大の勝因かなと。リュングベリのトップ起用、ピレスの強行出場など多少苦しい部分もあったけど、個の質で上回ったという感じ。さすがにあの美しいパス回しはいつもより影を潜めてたけど、フレブの突破はかなりアクセントとなっていたし、ピレスのゲームメイクもレベルが高かった。後は最後をああいう形にせずにゲームを締める事が出来れば、もう少し勝てる可能性は増す気がする。

まあ非常に興味深いゲームでした。今度は良い状態でこのカード見たい。ガラセクお疲れ様。

*1:アーセナルはアンリ、ジウベルト・シウバベルカンプが怪我、ファン・ペルシーが出場停止、アヤックススナイデル、マクスウェル、ロサレス、ヘイティンガ、マドゥロなど主力が軒並み欠場。ヘイティンガはベンチ

*2:若いだけならアーセナルも若い(セスクやフラミニレジェスなど)ただ彼らは若いながらに経験を積んでいる。その辺は間違っちゃいけないところかも。ディフェンスラインはバリバリスタメンだし

*3:ズラの2匹目のドジョウ、スウェーデン出身の長身アタッカー、アヤヤ伝統の9番ポジションをハリステアスと競争してるらしい

*4:ピレス→クリシー、フレブ→シガン

*5:ロスタイム入れると25分ぐらいかな?

*6:一回らしいループのスルーパスで決定機を演出するがだめぽ

*7:充分エキサイティングだったけど