WY Round of 16 日本-モロッコ 雑感。

  • 前半終了。

いいね、悪くないね。相手も弱くないけど、しっかりと戦って、対等に渡り合ってる。当たり前だけどこれだけ出来て当然の選手達だから、特に感慨もないけど、グループリーグのへたれっぷりを考えると、非常に積極的に、そして意欲的にゲームに取り組んでいることが嬉しい。本当によくやれていると思いました。

リズムの違う相手という感じのモロッコだけどキープレーヤーでもある11番に対して、よく粘って対応しているのかなと。ただチーム全体から見ると、モロッコの持っている柔軟性というか、うまく身体を使われてするっと抜けられちゃったりしているのが気になるところ。危ういシーンになりがちなので、その辺は後半に向けての注意点かも。適応して欲しいなと。

それにしても水野は素晴らしい、センスが溢れているのは相変わらず。良く顔を出して、プレーに絡み、そしていやらしい存在となっている。当たり前だけどJEFの経験は非常に重いね。
で、カレン!惜しかった!ポスト直撃二つ、でも打つ意欲だったりというのは素晴らしい、一発目の直撃の時は自分で奪って、うまく預けて受けてと、流れも良かったし、距離があっても狙う積極性だったりと良いプレーが出来ている。技術的にうまい選手じゃないけど守備も貢献度は高いし、いけるとこまでどんどん積極的にプレーして欲しい。
水本は大会通じて守備に置いてはパーフェクトで、この試合でも素晴らしい。いやらしい相手に対してもしっかりと対応。そして積極的に高い位置に出て攻撃に絡んでと、この程度では満足しないのかも(笑)フィーゴと対峙した経験は大きいね。

平山は相変わらずキリンみたいで鈍かったり、家長はリズムがあっちゃって*1結構足出されてつっつかれたりと、まだまだな部分もあるけど、チーム全体が意欲に溢れているのは先ほども書いた通り。特にサイドバックがいつもとは全然違う。これから勝負所だけど、この気持ちを継続して戦う気持ちを持って頑張れ!充分勝てるぞ!

まあ、最後はかなり押し込まれていたし、そこで根負けしてしまったという事なのですが、今までで一番積極的にゲームに臨んで、良い取り組み方をしていただけに、結果を残して欲しかった、いや、残させて上げたかった。でもそこは勝負、最後の部分ここまで調子のイマイチだった兵藤、そして小林という熊の寵愛を受けてきた選手達が、二人で行ったにもかかわらずアプローチで獲りきれずに上に書いた通り、するっと抜けられてスルーパス→9番でやられてしまった。まあ熊のせいでも兵藤のせいでも小林のせいでもないけど、まあそういう流れだったのかなと。でも悔しい。最後の最後であれは・・・・

しかし、良いゲームをしたと思う。勿論交代策でここまでの日本のよりどころだった局面打開力を支えていた水野・家長が消され、前線にイイボールが行かなくなってしまったこと、そしてそういう部分で期待される前俊が余り良い形でボールを持てなかった*2、そういう要素が響いて攻撃構築においては一気に拙くなって、相手にリズムを渡してしまった。体力的な要素は確かにあったけど、それ以外の価値というモノを見極めて欲しかったなと。彼らには凡人にない、そしてこのチームに必要な要素を持っていたと言うことを。
まあそういう部分に頼らなければ攻撃構築出来るだけの力はこのチームにはなかったのかなと言う証明にもなってしまった訳だけど、才能を見いだす、そして使う意識がなかったと言うことに尽きるのかなと。その中で梶山も凄い良くやっていて、痺れる様なサイドの展開とか、しっかりとそして巧みなボールキープ、おしゃれなパスでなんとか作ろうとしていたけど彼一人にそれを背負わせてしまった。他に才能がない訳ではなかっただけに、残念。采配としては難しい部分ではあったけど、やはりシビアな部分で展開を読み切れなかった大熊監督のミスとも言える部分だったのかも知れない。

気になったのは上の選手では水本かな?経験を糧にしっかりしてほぼ完封。しかも1vs1だけでなく危機察知能力をフルに生かして、危ない部分でしっかりとカバーしていたりと、存在感は出色だった。西川と共に彼がいなかったら、このチームはもっとボロボロだったかも。お疲れ様。
悪い部分で言えば目立ってしまったのは大学生二人かな・・・。まあプロじゃないからと言う部分があった訳だけど、選んだ側にも問題があるし、そういう存在でありながら、意識を高く練習してこれなかった二人の自己責任の部分でもある。このままでは二人とも早熟のプレーヤーとして終わってしまう可能性さえある。才能に頼らず自分たちの何かを見つけて欲しいなと。
平山はこの世代ではやはり大きな才能の一人だと思うけど細かい要素は、はっきり言って2年前と大して変わっちゃいない。判断力は低いし、技術レベルも低いし、意欲も余り感じない。勿論走りまわってどうにか出来るタイプとは違うけど、自分がゴールを獲るためにどこまで仕事をしたのか。ペナに入る回数だったり、それをするための努力と意識だったりというのは逆に減退したぐらいの勢い。早くプロに入って甘さを抜いて欲しい。時間的制限を受けるプロの中で、より厳しい意識で取り組まない限り、きっと良くならないと思う。
兵藤はまあ怪我があったのかも知れないけど、世界レベルに置いて自分が活きる術というのを見つけられなかったのかなと。アジアではまだボールを持つ余裕があって、持ち前の運動量も活きていたけど、一段高いレベルに昇ってから、本当に存在感が薄れ、グルーとしての役割をこなせず、自分の仕事というのを見つけられなかった。まあこれからやっていけば、見つかる部分かも知れないけど、現状では組織プレーヤーの限界だったのかも。良いクロスは持っているし、スタミナもあるだけに、これからはより高いレベルで自分の武器、そして仕事というのを見つけて欲しい。

で結局0点に終わってしまった訳だけど*3、前俊のFKや平山の一瞬の刹那を付いたミドルや振り向き様のシュート、そして最後のカレンのシュート・・・・。全て枠を捉えきれなかった。まあ全て難易度の高いシュートだったから一概には言えないけど、モロッコは質を補う量があって、そこに差があったのかなと。得点機を生み出す要素というのをしっかりと理解していた感じがして、その差なのかなと。

まあでも最後の最後に90分間しっかり戦って良い経験が得れたことは良かったと思う。そして個に置いて通用というかしっかりと自分をアピール出来た選手達が沢山いたことも良かった。これからJに戻ってこの悔しさだったり、得た経験だったり、高い意識だったり、足りない部分を補う事を頑張って先に繋げて欲しいなと。負けても尚、思うよ。この世代の選手達の才能は今までになく大きいモノで、こんなモノじゃないと言うことを。

そのためにも次はより引き出しが多く、彼らの才能を引き出し、活かせる監督になることを祈る。とにかくお疲れ様。

*1:ロッコの選手っぽいのかも知れない。それでもさすがのプレー。スラローム系のドリブルはまだまだ健在

*2:エンドを割ってしまったけど、ああいう形を作る出せていただけに、持てばいける雰囲気はあった。それだけに残念

*3:WYにおける熊ジャパン初の零封負けらしい